毎年悩むJ-SOX対応の「人手問題」――業務プロセス評価に外部サポートという選択肢|加勢司法書士事務所

本文J-SOX対応の担当者として、毎年この時期になると憂鬱になる方は少なくないのではないでしょうか。

評価のスケジュール、人員の確保、監査法人とのやり取り――やることは毎年同じなのに、なぜかいつも人手が足りない。

この記事では、J-SOX対応における「人手問題」の構造と、外部サポートを活用するという選択肢について、実務経験をもとにお伝えします。

目次

毎年繰り返されるJ-SOX対応の「人手問題」

J-SOX対応は、一度体制を整えれば終わりではありません。毎年度、整備状況評価・運用状況評価を実施し、評価調書を作成し、報告書にまとめる――この作業が毎年繰り返されます。

問題は、この作業量が決して少なくないにもかかわらず、専任担当者を置いている会社がそれほど多くないという現実です。

内部監査室のメンバーが他の監査業務と兼務しながら対応する、経営管理部門のスタッフが年度末だけ駆り出される、といった運用をしている会社は珍しくありません。私が実務に携わっていた頃も、評価シーズンになると「今年も人が足りない」という声は毎年聞こえてきました。

業務プロセス評価がボトルネックになりやすい理由

J-SOX対応の中でも、特に業務プロセス評価は人手を要する作業です。

業務記述書・フローチャート・RCM(リスク・コントロール・マトリクス)からなる3点セットの整備、整備状況評価・運用状況評価(ウォークスルー・サンプリングテスト等)の実施、評価調書の作成と取りまとめ――これらは対象プロセスの数だけ繰り返されます。

さらに難しいのは、この作業が「経験がないとなかなか勘所がつかめない」という性質を持っていることです。

何をどこまで記述すれば十分か、どのサンプルを選べば評価として成立するか、不備をどう判断して報告するか――こうした判断は、実際に評価を回した経験がないと身につきにくい。マニュアルを読んで理解できる部分と、現場で体得する部分が混在しているのが業務プロセス評価の実態です。

社内人材で回そうとするとどうなるか

人手が足りないとき、多くの会社がまず考えるのは「社内で対応する」ことです。評価範囲が広いために各部署からメンバーが集められることもよくあります。

ただ、J-SOX対応は金融商品取引法に基づく制度であり、評価の考え方や手続きには一定の専門知識が必要です。ウォークスルー、サンプリング、整備状況評価といった用語が最初から共通言語として通じる人材であれば、指示も確認もスムーズに進みます。そうでない場合、まず基礎から教育する必要があり、繁忙期にその負担がコアメンバーに集中することになります。「人は増えたのに楽にならない」という状態になりやすいのはこのためです。

また、社内メンバーによる評価には別の課題もあります。業務をよく知っているがゆえに、評価が形式的になりやすいという点です。評価対象の業務や担当者をよく知っているからこそ「まあ大丈夫だろう」という判断になりやすく、本来求められる客観的な視点が保ちにくくなることがあります

さらに、人員不足から内部監査担当者が法務部門などと兼務しているケースも見受けられます。規程整備など内部統制の整備に関わった人間が同時に評価も行うことになると、評価者としての独立性という観点から課題が生じます。J-SOXにおいて内部監査の独立性は全社的内部統制の重要な評価項目でもあり、兼務体制はその点でリスクになり得ます。

外部サポートを活用するという選択肢とその条件

こうした状況への対応として、外部サポートの活用があります。外部の人間が評価の一部を担うことで、形式的な評価や独立性の問題を一定程度解消できるという側面もあります。

ただし、外部サポートを活用する際に重要なのは、依頼する側にも一定の知識・体制があることです。

評価の全体設計や監査法人との基本的なやり取りができる担当者が社内にいて、その上で実働部分の人手が足りないという状況であれば、外部サポートは機能しやすい。逆に、J-SOXの全体像が社内で把握されていない状態では、外部サポートがあっても円滑に進みにくいのが実情です。これは外部サポートを提供する立場から正直にお伝えしたいことでもあります。

加勢司法書士事務所でできること

加勢司法書士事務所では、業務プロセス評価・文書化のサポートを行っております。

東証プライム上場企業(旧東証一部)の内部監査部門にて、評価する側として業務プロセス評価・全社的内部統制の実務に携わった経験をもとに、即戦力として対応いたします。

対応できる業務は以下のとおりです。

  • 業務プロセスの文書化(業務記述書・フローチャート・RCM)
  • 整備状況評価・運用状況評価(ウォークスルー・サンプリングテスト等)のサポート
  • 評価調書・内部統制報告書(業務プロセス部分)の作成サポート
  • 業務プロセス評価部分に関する監査法人対応の補助

なお、IT全般統制・IT業務処理統制、および会計・税務判断を伴う評価は対応範囲外となります。対応可否が不明な場合はお気軽にお問い合わせください。率直にお答えします。

北海道札幌市を拠点に、全国オンラインにて対応しております。

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まとめ

J-SOX対応の人手問題は、多くの上場企業・上場準備企業が毎年直面する課題です。社内完結にこだわるほど、教育コスト・形式的評価・独立性の問題が積み上がりやすい構造があります。

外部サポートはあくまで「手段」のひとつですが、社内に一定の体制がある会社にとっては、有効な選択肢になり得ます。まずはご相談だけでも、お気軽にお声がけください。

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